ワークショップを営む

ちいさな硝子の本の博物館:村松栄理 × どうち製本所:堂地健一、堂地治美 × MERIKOTI:小高 集

ワークショップを営む

まずはそれぞれの簡単な紹介からお願いします。

堂地「どうち製本所」と申します。製本所では、製本糊を使ったメモ帳やスケッチブックなどの画材関係を中心に作っています。
元々実家が約60年以上製本所をやっていまして、私は10年前に製本所に入りました。その後、「どうち製本所」となり、現在は、「どうち製本所」と「紙工房 堂地堂」で活動しています。
「紙工房 堂地堂」は、余った端紙が「もったいない」とゆうことで、オリジナル商品を作り始めました。
オリジナル商品のひとつは、すみだモダンの認証を頂きました。
すみだ北斎美術館などで販売して人気商品ではあるのですが、全て手作りでやっているのでなかなか注文に追い付かないこともあります。

村松今回会場として使っていただいております「ちいさな硝子の本の博物館」の村松と申します。
やたらと長い名前なのですが、ガラスに関係する写真集や資料など色々な種類の本を置いています。
これらの本は、墨田区錦糸町で手づくりのガラス工場をやっている父が長年集めていたもので、一般の方に気軽に見て頂こうと資料館を兼ねて硝子の販売も行っています。
また、ビールやアイスコーヒーが美味しそうに見える「うすはり」を自社ブランドとしてつくっています。
「うすはり」をつくる前は受注生産みたいな感じでお土産屋さんから依頼を受けて、色がついたものなど多くのガラス製品をつくっていました。ガラスの美術館のお土産コーナーとかに。
ところがバブルがはじけてしまって…… これからは自社ブランド中心にやっていこうと方向転換をして、「うすはり」をメインとした透明でシンプルなグラスを作っていくようになりました。
ただ、昔作った製品も多く余っていたので、資料館を兼ねてデッドストックになっていたものを売り出しました。
でも、待っているだけではお客さんは来ないので、革の職人さんにワークショップをやれというアドバイスを受けてワークショップを始めました。

小高オレンジトーキョーの小高です。
布草履を自分たちでデザインして、自分たちで作って販売しています。
ワークショップはブランド立ち上げ当初から行っています。最近は海外の方が多く参加されています。
言葉の壁がないので楽しんでいただけるのかなと思っています。

▲対談の様子

ワークショップでは、具体的になにを体験できるのですか?

堂地2009年に向島にある鳩の街通り商店街の店舗で、いろいろな紙を選んでオリジナルノートが作れるワークショップを「紙のバイキング」という名前で始めました。 その後、段ボールを表紙に使ったノートや、スケッチブックも取り入れています。
今年は、製本糊を使ったスケッチブックをクロステープで綴じる「内外クロス製本」、他ではやっていないワークショップをやり始めました。
いろいろな種類があるので子供から大人まで楽しめるワークショップになっています。
年間20近くの出張ワークショップも行っています。最近は飽きられやすい部分も出てきたりしますで、アレンジをしながら参加している人に楽しんで頂いています。

村松私のところでは、「リューターをつかってガラスの表面に絵や文字を彫れるようにしてみよう」ということでワークショップを始めました。
やっているところは他にもあったんですが、ガラスそのものやデザインにこだわってないものが多かったんです。
こちらでは強みでもある職人の手づくりガラスに模様を書くことができるので、長く使えるし、オリジナリティーも出せていると思っています。

小高全国に布草履を編んでいる人は結構いて、初めは売れてきたらその人たちに頼めばいいやという軽い気持ちでした。
ですが全員に断られてしまい、結局自分たちが作らないといけないということになりました。
そこで、ワークショップを通して職人気質の人を発掘しようと考えたのですがのべ40人くらいの内3人しか育たないという現実もあり、現在はそれはやめています。
編むのに3時間もかかりますし、ワークショップも先生が2人しかいないので最大でも8人にしか教えられないんですよね。
職人さんは英語が喋れる訳ではありません。
最初はドキドキしながら教えていましたが、実際受けれてみるとワークショップに言葉の壁はなく、手ぶり身振りでも通じることから最近は自身も楽しんで教えられていまいす。

どうち製本所:堂地健一さん、堂地治美さん

MERIKOTI小高さん

工夫を重ねて行っているのだな、と感じました。ワークショップのやりがいはどんなものでしょうか。

小高「すごいですね」っていう言葉は嬉しいです。
褒められることと「作ってよかった」っていう一言があると、やっててよかったなと思います。
普段は黙々編んでいてユーザー様との接点があまりないということもあるので。

村松最初は機械を使ってただガラスを彫るだけなんて誰でもできると心配してたんですが、完成して満足して頂いたりすごく喜んで頂いたりして、楽しんで頂けたのがご褒美になっています。あと、お客さんを上手くひたすら褒めるようにしています。

堂地黙々と時間をかけるお客さんもいますよね。ある方は~じっくり選ぶ子もいるし。

小高職人さんも初めは焦って間違えたこともありましたよ(笑)
最近は上手くさばけるようになってきましたが。先生方も上達してきて、始めた頃よりも短い時間でワークショップを終わらせることができるようになりました。
ワークショップは、先生も成長できる良い場だなと思います。

取材社内にもプラスの影響を与えているということですね。ちなみに、スミファのワークショップは普段のものとは違いますか?

村松客層は変わらないですが、スミファのホームページをチェックして来てくださる方も意外といて、影響力はすごいですよ。

小高機械好きの方とかは結構来ていただけますね。

取材海外のお客様が来ていると伺ったのですが、自分で申し込んで来られたのでしょうか?

小高そうそう、あとはインスタグラム。うちが発信してるわけじゃないけど、参加してくれた人が宣伝してくれて。
台湾の人だったり香港の人だったり、インスタグラムを見て参加しに来てくれて。
「海外でワークショップをやらないか?」みたいな誘いも来ましたね。

村松企業自体が発信するより、実際に体験してくれた一般の方の情報の方が価値がありますよね。
SNSでどんどん宣伝してねってお客さんには言ってます。
逆に、若い方のご意見とかは?「こんなのやりたい」とか。

取材3時間はちょっと…… 友達も誘いづらいし。興味なかったら申し訳ないなと。

村松逆に婚活に良いんじゃない?3時間も知らない人と編んでる中で仲良くなるみたいな。

取材興味のある人しか来ないので、趣味は合いそうですよね!
最後に、今年のスミファの意気込み・去年とはここが違うぞ!とか言うのがあればお願いします。

村松年々人気になってますよね。認知度も上がって。

小高スタンプラリーとか良いよね。

村松色々めぐるから思い出にもなりますしね。

小高何軒以上回れば、コースタープレゼント!とか。

村松来年のスミファのワークショップをどれか1つ無料でできるよ!とか。

堂地それって、すごく良いですよね。

村松企業間で協力して回ったら1つのものが完成するというのは去年やったんですが、告知が間に合わず…… 今年もやるのでなるべく早く告知したいですね。

堂地毎年参加していると代り映えしないから、製本糊を実際塗っている作業を見せるのが1番良いんだけど、タイミングがないと厳しいかな。

村松時間に合わせてできればよいですね。もしくは、動画でかっこよく撮って頂くのも良いかもしれないですね。



取材:小林千恵(早稲田大学)
編集:菅 尚文(早稲田大学)
写真:皆川 結(スミファ実行委員)