デザイナーさんとの仕事は面白いです。自分たちにはない創造性や感覚で、仕上がった時にはやっぱりすごいと感心します。
例えば、私たちが自分たちのセンスで自由に考えて提案すると、どうしても技術丸出しの無骨な製品になりやすいのですが、
デザイナーさんは紙質、色、サイズ感とあらゆるところに気を配っているのでお互いの技術や知識を共有することで、バランスのとれた製品が生まれてきます。
ただ、デザイナーさんの強いこだわりを直に受けとめることになるので大変な面も多いですけどね(笑)。
でも、その度にとんでもないプロダクトがうまれてくるのが楽しいし、彼らの期待を超える技術を提供すると喜んでくれる。きっとそこを要求されているのだと認識しています。
時には普通の加工会社にはできないような方法で、面白いものをつくろうと躍起になることもありますが、デザインのもつブランドポリシーを大事にして、そこに技術を添えることをモットーにしています。
要望と技術がきれいにかみ合った製品をつくりその品質で満足していただくことが、何より仕事のモチベーションになっています。
工場が衰退しているのは墨田区だけではないし、私たち製本業界だけでもありません。商売で考えれば、同じ機械を回してロットが多い仕事をしていれば安定しているし楽ができる。
でも、人口減少やデジタル化にともない今まであった仕事はますます少なくなっていくのは目に見えています。
請負仕事では、会社を少ないし、質の高い製品を納めるのは当たりまえのことで他社と比べて大きな差が出せるとは思えません。
そこで大事なことは「いかに製本という仕事を知ってもらうか」ということです。
自社製品をつくることでさまざまな人に認知してもらい、新しい出会いが生まれ、何かが生まれる可能性が広がる・・・。
また、自社製品を仕入れから販売まで経験したことにより、今ある仕事のありがたみも再認識できましたし、より質の高い仕事ができるようになりました。
紙製品の面白さや美しい装丁(そうてい)の素晴らしさは、電子書籍やスマートフォンでは決して伝えることができません。それを伝えることが、今大切なのです。
特色の異なる6社で結成された「印刷加工連」の活動もその一環です。
また前提として、私たちは現状の請負仕事からの脱却を目標としているのではありません。
得意先の印刷屋さんに、より高い付加価値を提供できることを認知してもらい、さらに幅広い提案で受注活動をしていただきたいのです。
私たちの仕事は、印刷屋さんと共栄することにより成立する商売だと思います。
Text by 貝塚高士
製本加工技術を駆使して作られた楽しいアイテムたちの出来上がるまでのストーリーは聞いて納得!
味味の黒ごま担々麺
03-5608-6188 墨田区産業観光部 産業経済課/担当 植村・佐藤
(平日9:00-17:00 土日祝 休み)
スミファ実行委員会 info@sumifa.jp
スミファ公式 Facebook
小林さんの名刺には、小林断截さんの技がふんだんに盛り込まれ、楽しさと驚きが詰まっています!